一週間ほど前になるけれど、ある若者の就職祝いで会食に出掛けた。あまりあることではない。現在彼は、非正規雇用ということもあり、日々あまり栄養が足りていないということでもあり、焼き肉を食べようということになる。

皿に乗せられて運ばれてくる上質の肉をみるだけで笑いが抑えられない、という彼であった。彼は来年度から正規職員として奈良県内で働くことになる。

職場で一緒に働き、仕事を頼んだり、任せたり、そんな感じの若者が今まで3人いたけれど、3人とも正規の職を見つけて去っていくことになる。

そんな会食時の最初の会話。

わらけた。

7年前、俺がこの職場にやってきた時のはなし。

「スナイパーのような目をした男がやって来た」

そうやったらしいですよ。そんなことをみんなで言ってたらしいです。先生、その頃何を考えていたんですか。

もちろん、常に狙いを定めて一撃で相手を仕留めるということ、なんかではない。そうではなく、ごく普通に暮らしてました。今と同じように。

まあでもそんな目をした男が職場に現れたら、迷惑やろなと思う。いややろ。

そやけど、そんな奴おるか。スナイパーのような目をした男なんて、平成日本のこの市民社会におるんかな。まあいい。まあ仕方がない。

定時制高校の教員生活が長すぎて、少し朝の光とそして昼の光が眩しすぎたんだろうと思う。

それにしてもこんなに慈愛に満ちたまなざしなのにな。